私は看護師として10年以上働いてきました。
中学生の頃から看護師を目指し始め、高校では迷いなく看護学科のある大学を希望し、大学でも順調にその階段を上りました。
小さなイジメや思うようにいかない成績などいろいろなことがありましたが、どうにか看護師と保健師の資格を取得することができましたし、順風満帆と言えばそんな感じだったのだと思います。
見たいところまで飛べます」
看護実習と新人看護師時代
大学時代に話を少し戻しますが、私は大学時代の看護実習が嫌で嫌でたまりませんでした。
何が嫌なのかはよくわかりませんが、とにかく病院で実際の現場に出るのが辛く感じました。
実習後の日々の記録も大変でしたが、割と記録は書ける方だったのでそこまで苦労することもなく、それはどうにかなりました。
ですが、「実習が嫌だ」「行きたくない」と思う気持ちは日々ありました。
そしてそのまま卒業し、看護師として病院での勤務が開始となりました。
配属先の希望を一応は出せると言うので、ICU病棟を希望し、見事通りました。
ですが、やはり実習の時と同様に、日々仕事に行くのが嫌で嫌でたまりませんでした。
胃腸炎になりましたし、軽い気分不快だけで休んだこともあります。
憧れの職業とそれに対するネガティブな感情
今改めて考えてみると、大きな違和感であることがひとつあります。
中学生の頃からなりたいと思っていた、夢見ていた看護師になれたのに、実習でさえ「イヤ」と感じていたのはなぜだったのでしょう。
理由は複数挙げられます。
・緊張
・不安
・恐怖
この3つが大きかったと思います。
さらに深掘りしてみます。
緊張
私は緊張しやすいタイプでしたので、ご多分に漏れず、初対面の場や人に見られる場面ではとても緊張しました。
実習生と言えども、看護師のタマゴとして患者さんの前に出ること、馴染みの無い病院へ行くこと、どちらも緊張の要員でした。
不安
緊張とも関連しますが、実習や新人看護師の立場でも、現場の看護師と接し方、患者との接し方の不安を覚えたり、自分がうまくできるかどうか不安に感じたり。
緊張と同時に不安を感じる日々でした。
恐怖
さらに「恐怖」もまた緊張や不安と関連しますが、イメージできない実習に対してよくわからない「怖さ」を感じていました。
とにかく先輩や周りから「実習は大変」「現場の看護師は怖い」という話を耳にしていたため、まだ何もしていないうちから「不安」「恐怖」といった感情が芽生えていました。
結果、より「緊張」を感じてしまい、だからと言って実習や業務の行動面への支障はありませんでしたが、精神衛生上良くありませんでした。
周りの言葉と先入観
上記からわかるように、「自分が何かをされたわけではなく、周りの言葉やそれによるイメージからネガティブな感情が生まれている」ということがわかります。
自分自身でマイナスなイメージを勝手に作り上げてしまっている、ということになります。
もちろん、実際に看護の現場に行くと「厳しい」「辛い」「怖い」と感じることがあります。
しかし、実際にその程度が大きくなくても、元々ネガティブな先入観があることで、少しの厳しさでも「とても厳しい」と感じてしまうことがあります。
自分のイメージによって自分がさらに苦しんでいる状況です。
良くないですよね。
こういったネガティブな感情に押しつぶされてしまい、抑鬱状態になる人もいます。
そこまでひどくならなくとも、気持ちが落ち込んでしまうことがあるでしょう。
実際に、私はそうだったと思います。
何が嫌なのかもよくわからず、とにかく「病院に行きたくない」という気持ちが大きかったです。
看護師になれたのに看護師になりきれない自分
このような状況でしたので、せっかく実習を乗り越え、国家試験を乗り越えて晴れて看護師になったものの、新人看護師である自分に負けそうになっていました。
「看護師になれたのに、看護師としての自分に違和感を感じる」
「看護師になれたのに、看護師として仕事をするのが辛い」
こんな感情が渦巻いていました。
他の職業の検討
こんなネガティブな感情だらけだった私は、看護師を初めて早3ヶ月で根を上げました。
他の職業への転職を考えたのです。
その職業は、養護教諭です。
以前から興味のあった養護教諭。
医療が関わること、そして学校に関われることに大きな興味を抱いていました。
私は社会人になり、毎日が仕事でゆっくり休むこともできず、とにかく楽しくない日々がとても辛く、「学生時代に戻りたい」という気持ちが非常に大きかったのだと思います。
そういった背景もあり、養護教諭に興味を持ち、調べ始めました。
保健師の資格があれば「養護教諭第二種免許」の資格を取得できることがわかっていましたが、募集がとても少ないこと、免許が「第一種」ではないことからハードルの高さを感じました。
その後も養護教諭に向けてたくさん調べ、本格的にチャレンジするつもりでしたが、結果的には看護師1年目で辞めることはありませんでした。
転職は胸に秘めて
「結局転職しなかったのか」
と思われてしまいそうですが、実際にそうだったので否定できません。
ですが、「とりあえず1年間頑張って辞める」という気持ちのまま、どうにか走り続けたという感じです。
とても辛かったですけどね。
看護師1年目を振り返ると・・・
非常に感情の上下が激しく、今でもはっきりと覚えていることの多い新人看護師時代。
あの時、友人と毎月ご飯に行き、愚痴りあってきました。
でも、愚痴は言えても支えてくれる人はおらず、苦しい日々でした。
皆さんはどうでしょうか。
支えてくれる人がいましたか?
私は、もしあの落ち込んでいたときに気持ちを理解してくれる人がいたら、あの時もっと救われたのではないか、と思ったりします。
もう少し前向きに頑張ることができたのではないか、とも。
そのような方に向けて、コーチングサポートを行っています。
せっかく看護師になれたのだから、この先ずっと看護師として働かなくとも、看護師という資格を活かしていくことができれば良いと思っています。
病院ではなくても地域で仕事ができますし、働く場所は様々です。
視野を広げるためにも、いろいろとお話をしてみませんか?
もし辛い気持ちを抱えているのであれば、その気持ちを吐き出す場としていただいても構いません。
少し肩の荷を下ろして、少しずつでも前に向けて歩くことができると良いですね。